コミュニケーションの本質は催眠術である|催眠術を学ぶということ
まだ催眠術を学ばれたことがないあなたにとって、催眠術は怪しいなにか、特殊な能力といったものかもしれません。
何かを耳元でささやくと突然眠りだし、合図をすると誰かを好きになったり、レモンが甘くなったり、手が開かなくなったり。
それはそう、その通り。本当に「魔法のようなこと」が起こります。
そして、催眠術を学ぶ=「催眠術」ができる「催眠術師みたいになれる」という人が多いのです。
でもね、本質的には違います。私が言いたいのは、もっと日常レベルの話なんです。
一言で言うならば、催眠術を学ぶとは「あなたの今の人生をそのままよくすること」なのです。
もう少し言うと、「催眠術はコミュニケーションの本質」なのです。
どういうことか、もう少し丁寧にお話ししてみましょう。
催眠術とは簡単に言うと、言葉をつかって、相手の心や身体を動かす技術です。
そう聞くと、なんだか魔法のように聞こえるけど、よく考えるとそれって日常に溢れていません?
電車の中で見る吊り広告や、テレビのCM、おしゃべりが上手なあなたのお友達、どういうわけかモテる誰か、お店で一番の売り上げのアパレルショップの店員さん、交渉が上手な上司や同僚。
だれかの一言で何かを欲しくなったり、好きといわれて好きになってしまったり。
あなたの大切な場面も、ささいな日常でも、言葉=コミュニケーションから避けては通れないでしょう?
今日は何人のひとに会いました?何通のLINEをやりとりしました?
そう、人生においてコミュニケーションはものすごく重要な役割を担っています。あなたも含め、みんなそれをどことなく分かっているからこそ、巷ではコミュニケーションに関する講座が開かれているし、書店をのぞけばコミュニケーション本で溢れかえっています。
催眠術はそのコミュニケーションの「コア」となる技術です。
フットインザドア、ラポール、イエスセット、どこかで聞いたことのある心理テクニックも元をたどれば「催眠術」があります。
それらのピース(断片)から得るものはあるかもしれませんが、私はあえて言い切ります。
催眠術こそが、コミュニケーションの本質である、と。
なにも身構えることはありませんよ。
大切なことは、いつも、シンプルです。
催眠術は特別な技能でなく、だれもが日ごろ経験していることを「ある視点から(専門用語を用いて)説明した」というだけのことです。
何かを欲しくなったり、時間があっという間に過ぎてしまったり、誰かに恋心を抱いたりすることと、私が何かを耳元でささやいて誰かが好きになったり、ペットボトルがかけがえのないものになったり、時間をとめたりすることは実はあんまり変わりません。
それを感情支配だとか、運動支配、記憶支配…などと、特殊な説明をしているのです。
説明の仕方が特殊めいているのかもしれませんが、扱うものは特殊なものじゃない。
だってそうでしょう?
かけるのも人間なら、かかるのも人間なのだから。
他人事じゃないはずですよ。もう、あなただって催眠術をすでに体験しているし、使っているのだから。
ただ、それを無意識に、ではなく、意識的にもちいることができるように、コミュニケーションをより深く理解することが「催眠術を学ぶ」ということです。
もう一度いいきります。
コミュニケーションの本質は催眠術です。
いまの生活、日常、人生を、人間関係を、そのままよくすることなのです。
遠い世界のことだとおもうのは間違いです。
そして、催眠術は「技術」です。つまり、学べばだれでも身につくものです。
そんな技術を、これからあなたと学んでいきます。
次回もお楽しみに。
それではまた。