瞬間催眠について|たった一言「眠れ!」というだけで、女の子がころっと眠った話


先週のことです。
おもしろいことがおきました。

とある場所でお酒をのんでいると、隣の女の子と話をすることになりました。
黒髪で、瞳の大きな、アイドルみたいな容姿の子でした。

私が「催眠術師です」というと「え、かけてほしい!」というのです。

なので、ちょっとしたカタレプシーをかけました。
固まった拳が開かなくなる、という催眠術です。

これは基本的な催眠術です。
以前も、こちらでかけ方を紹介しました。
ご覧になってください——だれでもできる簡単なものです。

案の定、がっつり拳が固まりました。
自分の手をみて「え、え!どうして?」と、女の子もよろこんでいました。

そのとき、私は、彼女の目がとろんとしていることに気づきました。
長い眠りから覚めたような目です。

これは〝トランスサイン(催眠状態が深まったことをしめすサイン)〟です。
それも「この子はすごく催眠術にかかりやすいんだろうな」と推測できました。

なので、ここでいきなり「眠れ!」と指示をだしました。
すると、目をとじて、身体をくずして眠りに(催眠状態)おちたのです。

最も深いレベルまで催眠誘導できた、ということですね。
それも一言だけで、一瞬で——いわゆる瞬間催眠です。

ここからなら、どんな暗示を入れても成功したことでしょう。
幻覚、記憶を消す、催眠術師を好きにさせる、笑いがとまらなくなる……。

けれど、それは通常の催眠術を学んでも、実現できることです。
よくある現象ですから。

この話のポイントは、
いきなり「眠れ!」の一言だけで、彼女をその状態に入れたことです。

通常ですと、拳のカタレプシーのあとは、
さらに身体全体を固めて、笑いや、恋愛感情等の感情コントロールをして、
名前を忘れさせるなどの記憶支配現象をおこして……といった手順をふみます。

催眠状態を深めるには、簡単な現象をおこして、つみあげていく。
これは催眠術のかけ方の黄金ルールですね。

けれど、原則は、あくまでも原則です。

「なぜその原則があるのか」を知った上でなら、状況次第では、
あえて、その原則を破ることも必要です——少なくともお得になることがあります。

極端な話、今回のように、あいての反応レベルが高いなら、
もう「三つかぞえるとあなたは…」式の暗示文を唱える必要すらありません。

あいてが催眠術だとおもって受けとれば、
なんであれ、その言葉は催眠術として、あいての無意識に響くのです。

そうした意味では、
ただ「眠れ!」の一言だけでも、あいてに暗示として機能するわけですね。

むしろ、高いトランスサインをみせている被験者に対しては、
効果的で、手っ取り早いわけです。

もちろん、なにがトランスサインなのか、
そもそも通常のかけ方はどういったものか、という疑問はあるでしょう。
そのあたりは——主旨とずれるので——他の記事などを参照ください。

しかし、ちょっと、今日の記事は、
わたしの「シンプルにできる催眠術」の読者サービスっぽくなったかもしれませんね。

基本をおさえると、こんな離れ技も楽しめますよ、ということでした。
ご参考までに。

あ、ちなみに、その女の子に瞬間催眠をかけるときには、
ちゃんと本人の許可をとって、まわりの安全を確保しましたので!


2017-04-07 | Posted in その他, 催眠術のかけ方No Comments » 

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