催眠術は誰でも習得可能な「技術」である。
「催眠術は魔法ではありません」
これは私がいつも口にする言葉です。
生徒に教えるときや、ときには舞台で観客にも、この表現をつかって伝えます。
そう、催眠術に〝魔法のようなもの〟をもとめるひとは本当に多いです。
もちろん、そんなイメージを抱くのはわかります。
ですから、普段は、支障があるときに、やんわり説明するくらいなのですけれど。
そのことについて話してみましょう。
まず大事なのは、あくまで催眠術は、だれでも修得できる〝技術〟だということです。
むしろ精神医学でも使用される由緒ただしいものです。
なのに、いまだにわが国で、なんとなく神秘的なイメージがあるのは、
「やってるひとが少ないから」「本当のことを教えられるひとが少ないから」
というだけのことです。
ですから「なぜ催眠現象がおこるか」は説明できるものですし、
それを達成するためのノウハウもあるわけです。
たしかに、催眠術をしらない人間がみれば、
目の前の人物が「椅子からたてなくなる」「笑いがとまらなくなる」「名前をわすれる」
といった状態になるのは、ふしぎでしかたないものでしょう。
まさに〝魔法〟のようにみえるはずです。
けれど、それは、その人物が「催眠術にくわしくないから」成立しているだけなのです。
本当は、手品のように、しっかり裏側にカラクリ(また紹介します)があるのですね。
よろしいでしょうか。
これが私のいいたかったことです。
とかく〝魔法〟と〝魔法のようにみえるもの〟はまったく別物です。
性質を考えれば、180度ちがうといってもいいくらいです。
ここで「なんだ、魔法は存在しないのか」なんて悲観することはありません。
むしろ、チャンスなのがわかりますか?
これは、つまり、あなたも催眠術をを学べば、
まさに〝魔法のようなもの〟を身につけられるということなのですよ。
まわりには〝魔法〟にしかみえないようなものを。
どこで披露しましょう——わくわくしませんか?