閲覧注意|催眠術で殺人が可能な理由とその方法


murder

「催眠術で人を殺すことはできるか?」

これは永遠のテーマです。
ミステリーなどでも扱われますね。
催眠術師は「催眠の可能性」を考えるために、よく、このテーマを議論します。

そしてこれを語るときに、きりはなせない話題があります。
およそ百年前、ドイツでの「ハイデルベルヒ(ハイデルベルグ)事件」です。
ご存じのかたもいるかもしれません。

ここでは概略にとどめますが、
ある女性が売春をさせられ、夫への殺人未遂、はては自殺未遂にいたった、
という悲惨な事件です。

真相は、主治医の精神科医による〝催眠〟でした。
犯罪をするように暗示をいれて、かつ、その健忘暗示(わすれる暗示)をいれたのです。
長期間かけて、蛇のように狡猾に。

すべてが発覚したとき、被害者は奇跡的にたすかっただけで。
その女性は、バイクに細工をするという、殺人行為自体はなしとげていました。
つまり「犯罪をしろ」「人を殺せ」「自分を殺せ」という暗示が機能したことになります。

まさに「本当にあったこわい話」です。
しかし、これだけで「催眠術で人を殺すことができる」と主張することはできません。
やや特殊なケースだからです。

そもそも、この被害女性は「パーソナリティに弱さのある人間」だったのですね。
ですから〝催眠〟というより、その〝パーソナリティ〟が原因ともいえるわけです。
前提が普通でなかったわけです。

では、催眠術で殺人をおかすことは不可能なのでしょうか?

私は「可能」だと考えています。
こればかりはテストできないので推測の域をでませんが……。
催眠を深く研究するほど、いくらでも方法があるようにおもえるからです。

たとえばビルの屋上につれていき「ここから飛びおりろ」と、
催眠術をかけても、防衛本能から、あいては目をさますことでしょう。
そんな危険なことしてくれません。

しかし、ここでビルの屋上を「お花畑」にみえるように幻覚暗示をいれたとします。
その状態で「あそこに、すごくきれいな花があるからとってきて」と、
ささやきかけるとどうでしょう——いくらか抵抗は減りますよね?

もちろん、これはあくまで単純な例です——本当の手順を書くわけにいきませんので。
おそらくうまくいかないとおもいます。
しかし「なんとか工夫できそうだ」という感覚は、ご理解いただけたことでしょう。

催眠術で殺人は可能でしょう。
ではなぜ、世のなかにそうした事件がみられないのか?
私はこう考えます。

ひとつには「催眠ができても殺人をしようと考えるひとがすくないから」です。
実際のところ、めったなことでは人なんか殺せません。
みな善人なのです。

ふたつには「そのレベルの催眠術師がすくないから」です。
日本にも数えるほどしかいない、というくらいが実情ではないでしょうか。
そして、そういう優秀な人物は、殺人の必要もないほど豊かにくらしているはずです。

みっつには「バレていないから」です。
これは考えるだけでもこわいことです。
まずバレてなければ——殺人をいいふらす人間はいません——知りようがないでしょう?

注|防衛的な視点も含んでいます(あなたが催眠を学ぶ理由でもあります)。
これらの行為を推奨、促すものではありません。


2016-11-18 | Posted in その他, 催眠術のかけ方No Comments » 

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