抵抗するあいてに催眠術をかける!?
前回(催眠術にかかりやすい人の6の特徴)の記事で、
「被験性のほかにも、催眠術にかかるかを決める要素がある」といいました。
それは〝抵抗〟です。
これは「催眠術にかかりたくない」という気持のことです。
あるいは「この催眠術師からはかけられたくない」というのもあります。
意識的なものもあれば、無意識的なものもあります。
本人の自覚もなしに、心の底で反発していることもあるのですね。
理由はさまざまです。
恐怖だったり、自尊心だったり、信念もあるでしょう。
こうした心の防御が生まれると、
本来、被験性が高くても、とたん催眠術にかからなくなります。
そもそも指示のとおり動いてくれないという〝抵抗〟は論外として。
うまくいきそうなのに、なぜかうまくいかない、という事態になるのです。
被験者が「かかりたい!」といっているのに、
心の奥底の〝抵抗〟のためにかからない、なんてこともありえるのですね。
催眠術師は、何度もこうした〝抵抗〟の壁につきあたります。
そのたびに「いかに抵抗をなくすか・すりぬけるか」を考えるのです。
催眠術に対する誤解から生まれるのであれば、しっかり説明して、
心のなかの迷信をとりのぞきます——このブログでやっているようなことですね。
あるいはエリクソン・現代催眠のように、
あいての抵抗をかわしながら暗示をいれていく、という手法もあります。
しかし、もし本当に「かかりたくない」と抵抗された場合はどうでしょう?
ただちに、あきらめるべきです。
そもそも「催眠術にかかるかどうか」を決める権利はあちらにあるのですから。
催眠術ができるからといって、だれにでもかけていいわけではありません。
そんなものは暴力です。
催眠術師たるもの、マナーをまもって誘導しましょう。
やはり最後にきめるのは——あたりまえのことですが——被験者本人なのです。