催眠術は本当に絶対に”とける”の?|催眠術の解き方について


催眠術師、愛沢なつめです。

今日は「催眠術はとけるのか」の話をします。
それも「本当に、絶対にとけるのか?」しっかり解説します。


意外と気になるところですものね。
その疑問はあたりまえだとおもいます。

催眠術を学ぶにしろ、自分で試すにしろ、他人にかけるにしろ。
万が一、なにかあってからでは遅いですから。

むしろ、そうしたことを気にかけるあなたは、
非常にモラルの高い方だとおもいます。

変な話、世の中には「催眠術で、
他人をコントロールできるならなんでもいい」という人もいますから……。

個人的には、そういう誠実な方にこそ、催眠術を学んでほしいです。
催眠術で「自分もまわりも幸せにする」という真の使い方ができるはずです。

やや脱線しますが、催眠術は本来、
精神医学やセラピーの現場でつくられたものです。

「人間を操るため」でなく
「人間を救うため」の技術なのですね。

ですから、催眠術の本質は「あいてを操ってやろう」でなく、
「あいてのためになにができるか」という〝思いやりの技術〟なのです。

もちろん、これは私の考えです。
判断は、あなたが、これから催眠術を学んでいく上でどうぞ。

そもそも「催眠術がとけない」とは?

「催眠術は本当にとけるのでしょうか?」
と、心配そうな顔で、ほとんどの催眠術を体験する方はいいます。

「ありえません。100パーセント。絶対に!」
と、いつも私はいいきります。

いきなり答えを書きましたが本当です。
催眠術がとけないなんてありえません。

もちろん、そんな言葉だけでは、信用できませんよね?
ここから説明して、納得してもらうのも催眠術師の仕事です。

さて、みなさんの想像する「催眠術がとけない」とは、
どんな状態をさすのでしょう?

ほとんどの方が「眠ったまま(催眠状態から)おきない」
という絵を思い浮かべるのではないでしょうか。

テレビや漫画や映画でも、
催眠術=深い眠りにおちる、というイメージがありますね。

そこから「その特殊な眠りの状態から、
目をさまさないこともあるのでは…?」と心配するようです。

実際「催眠術師のかけた催眠から目ざめなくなる」という場面を、
あつかった映画や本もあるくらいです——不安になりますね。

けれど、あえて声を大にしていいます。
それはありえません!

催眠術はとけます!
絶対の絶対に、本当の本当に。

そもそも、
上にあげた「催眠から目ざめなくなる」という場面は、

「催眠術に詳しくない作者が、
イメージだけでつくったシナリオ」だとおもってください。

もしくは「ちょっと専門書を読んだ」くらいのものでしょう。
私が脚本を書くなら、そんなもの書きません。

くわしい説明は次にうつりますが、
素人のつくったイメージにまどわされるのはやめましょう——危険です。

いつだって、あなたに必要なのは〝正しい情報〟です。
中途半端な噂は、あなたを、どこにもつれていってくれません。

 

なぜ「催眠術がとける」のか?

おまたせしました。

なぜ「催眠術は絶対に本当にとける」のか説明します。

「特殊な眠りの状態から目ざめないのでは…?」というのが、
不安の種のようだ、とは上に書きましたね。

ここがポイントです。
そもそも「催眠状態は〝特殊な眠りの状態〟なんかでない」のです。

むしろ普通の状態です。
健康な状態だともいえます。

言葉はむずかしいですが、専門用語で〝変性意識状態〟という、
だれもが日常的に体験するものです。

たとえば「いま、あなたも〝変性意識状態〟にある」というと、
あなたはビックリするでしょうか。

それは事実です。
あなたは、いま、この文章に集中していますよね?

・なにかに集中している
・リラックスしている
・ぼんやりしている

こうした状態のことをいうのです。
座禅や瞑想やヨガなんかも近いですね。

・電車のなかでぼんやりしている
・映画に集中している
・マラソンをしている
・インターネットをみている
・本をよんでいる
・睡眠前になにかを考えている
・友達と会話がもりあがっている
・考えごとをしている
・妄想をしている
・創作をしている
・講演、授業をうけている
・運転中

ざっと、こんなふうに挙げることができます。
まだまだありそうですよね。

この〝変性意識状態〟では、
時間のながれが普段とちがって感じる、という特徴があります。

あなたにも、お店で、友達と会話していて、
あっというまに閉店時間になっていた経験はありませんか?

とりあえずの定義としては、
「なんとなく集中やら、ぼうっとしている状態」でしょうか。

勘のいい方は気づかれたかもしれません。
この〝変性意識状態〟と〝催眠状態〟はおなじものです。

あえていえば「催眠術師が言葉や動作であいてを、
〝変性意識状態〟にいれたものを〝催眠状態〟とよぶ」だけの話です。

違ういい方をすれば、
睡眠とおきている状態の間くらい」ともいえます。

布団やソファにねころんで、
昼間にうとうと白昼夢をみる感覚ともいえます。

百人に催眠術をかければ、一人くらい「目ざめない」こともありますが、
それも気持ちよすぎて眠っただけのことです。

どうでしょう?
考えていた〝特殊な眠りの状態〟なんかではないでしょう?

催眠術師は、舞台の上で、もったいぶって、
観客を寝ころばせて、目をとじさせて「それっぽく」やるものだから。

そこに誤解が生まれるのですね。
実際は、ばからしいくらい、なんでもないことなのです。

そして、その〝催眠状態〟のあいてに、
暗示をいれると無意識に響きやすくなる、というのが催眠の原理なのです。

いかがでしょう。
前よりも、催眠術に対するイメージがはっきりしたでしょうか。

お化けだって、都市伝説だって、なんだってそうです。
「知らないからこわくなる」のです。

大事なのは知ること。
その上で、どう活かすかを考えればいいのです。

そして、もし、いままで「危険そうだな…」と、
催眠術をさけていたのたら、これほどもったいないことはありません。

催眠術はコミュニケーションの究極の形です。
あなたと、まわりの人生を、すばらしいものにできる魔法です。

たんに「人間をあやつる技術」だとおもわないでください。
知ることができます、救うことができます、変えることができます。

催眠術は危険なものでありません。
無限の可能性があります——あなたが手にしたときから。


2017-05-10 | Posted in 催眠術のかけ方No Comments » 

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