催眠術で相手の悩みや痛みを解放し、人生を変えるために考えるべき3つのこと


催眠術師、愛沢なつめです。
今日は「催眠術で人を救うことができるか」について考えます。


救いとして催眠術

ちょっと真面目なテーマですね。
とはいえ大事なことでしょう。

 

・友人が鬱みたいです
・恋人がつらそうにしています
・知人が「人生がつらい」といってます
・親が「死にたい」といってます
・同僚にたすけをもとめられています
・親戚が精神的につらそうです
・その他、緊張症、神経症、精神的な症状……

 

催眠術を教えていると、
いろんな方から「催眠術でなんとかなりませんか」と、相談をうけます。

そもそも催眠術に興味をもつひとは、人間が好きで、やさしい方が多いのです。
あなたも、そうではありませんか?

そして、その気持はわかります。
催眠術は「魔法のような心理術」にみえますからね。

それも嘘でありません。
たしかに、常識で考えられないような催眠現象をおこせます。

人間の体をかためたり、笑いだしたり、記憶を操作したり……。
まさに魔法です。

「では、それとおなじように、
人間の心もかえる(治療する)ことはできませんか?」というわけですね。

ストレスの多い現代。
ちょっと、まわりをみれば大変そうにしてる人がいますよね。

みんな人生がつらそうです——私たちもそうですよね。
身近にたすけてあげたい人もいるでしょう。

ですから、そう考えることは、なんらおかしなことでありません。
むしろ、あなたは他人のために心を痛められる、やさしい人間です。

 

催眠術で人を救うとは?

さて、これは、
根本的に「催眠術で他人をかえられるか?」ということだとおもいます。

心を治療するとはそういうことです。
ネガティブなものをポジティブなものにすること。

催眠術で他人をかえられるか?
究極の問いですね。

それも舞台の上でだけ「レモンをかじって甘く感じる」なんて、
エンターテイメントの話をしているのでありません。

・まわりの人間から愛されていると感じる
・人生が豊かなものにおもえる
・胸のなかに幸せを感じる
・明日が楽しみになる
・出会いや人間が好きになる

こうした人生の価値観の話をしているのです。
むしろ心を病むとは、上のような考えを〝もてない〟ということですから。

では催眠術で、こうした価値観を〝もたせる〟ことはできるか?
もしできるなら、それは「本当の意味で人間を救う催眠術」ですよね。

これは非常に難しい問題です。
私も、幾度となく、悩んできました。

けれど、あいての心とむきあうのが催眠術師の仕事です。
今現在の結論と、その過程でみえてきたもこともあります。

そうした「催眠術であいてを救うには、
なにを考えなくてはならないのか」を、3つにわけて書きます。

 

①催眠術で救われるには、本人の覚悟が必要である

さっそくですが、
先ほどの「催眠術で他人をかえられるか?」にこたえると。

「不可能ではない」
「けれど、人間は変わろうとおもうまで変わらない」

こういわざるをえません。
シンプルすぎる——身も蓋もない——でしょうか?

たしかに、催眠術は、
精神医学やセラピーの場でつくられました。

つまり「人間を救うための技術」です。
そういう意味では、なにかしら役に立つはずです。

しかし、それすら限界はあるのですね。
誤解をおそれずにいうと「本人の努力が大事」なのです。

たしかに一瞬だけ「人生はすばらしい!」とおもわせることはできます。
そんな気分を体験させることはできます——麻薬のように。

しかし、数時間後、翌日には、夢のようにとけてしまいます。
おなじ現実がもどるだけです。

では、どうすれば〝とけない催眠術〟になるのか?
本当に人生をかえられるのか?

それは〝本人も人生を変えようと覚悟すること〟です。

いくら他人が(私たち催眠術師が)あいてのためになにかしても。
本人が変わろうとおもわないと、なんの効果もないのです。

本人にその気がないと——なんだってそうでありませんか?
催眠術もです。

ですから、こちらの熱意だけではどうにもなりません。
本人が〝本当に〟変わりたいとおもことが必要です。

人生を変えるなんて簡単なことでありません。
生死にも関わる問題、甘えたことはいってられないのです。

 

②催眠術以上の専門技術が必要である

さらにいうと「催眠術以上の技術」を学ぶ必要があります。
催眠術は、あくまでエンターテイメントの技術です。

もっというなら、
「催眠という分野のなかでもエンターテイメントに特化したもの」ですね。

本来的には、治療を目的にしたものでありません。
本質はおなじですし、いくらか補助にはなりますけれどね。

けれど、もし、本当に、人間を治療するなら、
より、そのために特化した技術を身につけるべきです。

具体的にいえば、心理療法の分野になります。
通常の医学も必要かもしれません。

そうした専門的な資格、職業があるということは、
やはり「心を治療する」のは高度な作業であるということです。

もちろん、どんな情報でも学べる時代です。
カウンセリング、コーチング、NLP、心理療法……学ぶことはできます。

けれど「たんなるエンターテイメント用の催眠術だけでは心もとない
というのが正直な意見です。

しかし「人間心理の本質は催眠術である」というのも真実です。
とっかかりとして催眠術を習得するのは、絶対にむだでありません。

むしろ催眠術を身につけた上で、心理療法を学ぶのは、
賢い方法ともいえます。

心理療法には「催眠の効果をもちいて…」といった解説が、
あたりまえのようにでてきます。

心理療法から入った人間はそこでつまずくのですね。
「そんなこといわれても催眠術なんて知らないよ!」なんて。

だからこそ、あらかじめ催眠術を習得した上で、
学習するとスムーズなわけです——実感として理解できるでしょう。

 

③あいての人生を背負う覚悟があるか?

最後になります。

しかし、一番大切なことかもしれません。

あいての人生を背負う覚悟があるか?

これにつきます。
言葉のとおりです。

催眠術でも、催眠術でなくとも、
他人を救うとはそういうことです。

あいての人生をひきうけることです。
なかでも「すごく重たい部分」を。

あなたの心がやられる日がくるかもしれません。
絶望がまちうけているかもしれません。

ぱっと一瞬で、すべてがかわる魔法などありません。
心を治療するなんて、催眠術でも、かなりの時間がかかるでしょう。

一般的には、数ヶ月〜数年ともいわれます。
それで治らないこともあります。

そのあいだ、あなたは、あいての人生によりそわねばなりません。
一度「君を救うのだ」と決めたからには。

痛みなくして、得られるものはありません。
人間の心は魔物です。

それでも救う覚悟はありますか?
あなたにとって、その人は、それほどの存在ですか?

たまたま、みかけた人間に「なにかしてあげたい」と、
のぼせているだけではありませんか?

自分は正しいことをしてるんだと、
正義感に酔っているだけではありませんか?

辛いようですが、
立場上、これは私がいわねばならないことです。

人間の心は、人生は、おもちゃではありません。
リアルだからです。

 

——すみません、少しいいすぎましたね。
とはいえ慎重に考えすぎる、ということはありません。

こうした問題に悩める、ということは。
あなたが「やさしい人間」であることの証拠です。

他人のことなんかかえりみない世のなかで、
他人のことに心を痛められるのですから。

私としては、そんなあなたにこそ、人間の心をもっと学んでほしいですね。
本当の使い方ができるはずです。

なにも、すべてを、いますぐ決める必要はありません。
もう少しだけ催眠の世界にふみこんでみる、ということもできます。

催眠を学ぶことでみえてくるものがあります——絶対に。
その上で、さらに考えればよいのです。

軽い気持ではじめたことが、
偉大な結果につながることもあります。

もしかすると、
あなたが、だれかを救う日がくるのかもしれませんね。

私でよければ、そのお手伝いをさせてください。
ちょっとは、上手くおしえられるつもりですよ?


2017-05-14 | Posted in その他No Comments » 

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