テレビの催眠術は「ヤラセ」なのか?3つの裏事情を徹底解説!


催眠術師をしていると真っ先にいわれるのが、
「ヤラセじゃなかったんですね」という感想です。

こちらとしては「当たり前でしょ!」という話なのですけれど、
一方では、それも納得できます。

普段、生活をしていて催眠術師に出会うこともなければ。
催眠術を目にすることもありませんから。

この国では、圧倒的に「催眠術に触れる機会がない」のですね。
けれど、よく考えれば、それと「催眠術が本当かどうか」は別の話です。

実にそれはもったいない。
催眠術はたしかに存在する魔法だからです。

ですから、今日は「催眠術はヤラセなのか!」を考えたいとおもいます。
ちょっとした「大人の事情」もお教えしましょう。

さて、みなさんが催眠術を目にするといえば、
一番可能性が高いのは、テレビ番組の催眠術企画などでしょう。

みなさんの催眠術のイメージは、
一度や二度みたことがある「催眠術番組」から作られている、ともいえるのです。

そして、思うに、これがすべての原因なのですね。
これが「催眠術はヤラセでしょ!」のもとになっているのです。

たしかに私が催眠術の素人だったら。
こうした番組をみれば「催眠術ってヤラセじゃないの?」と考えてしまうでしょう。

それほどまでに、テレビの催眠術は、本物からかけはなれているのですね。
いったい、テレビの催眠術のどこが「ヤラセっぽい」のでしょう?

 

①芸能人があまりにもかかりすぎている

これはもっともな意見です。
レモンを甘いといってかじったり、椅子から立てなくなったり、異性にべたべたしたり…。
ちょっと信じられない出来事がおこりますよね。

一応、催眠術師の名誉のためにいっておくと、これらの現象は真実です。
催眠術でおこすことはできるのです。

といわれても、ちょっと、疑ってしまいますよね?
「それにしてもかかりすぎじゃない…?」なんて。

そうです。
それで正解なのです。

たしかに「テレビの催眠術番組はかかりすぎている状況を映している」のです。
これにはいくつか理由があります。

まず、そもそも芸能人は「催眠術にかかりやすい」といわれています。
まわりの期待に応えるのに喜びを感じる人種だからです。

こうしたタイプは、周囲の期待にのまれて、そのまま催眠術にかかりやすいのです。

人気商売なのだから、わからないでもありませんね?

単純に「ちゃんと催眠術にかからないと次の仕事がなくなる」というのもあるでしょう。
これが深層心理に強烈に効くのです——ころっと催眠術にかかるようになります。

さらに「そのなかで、さらにかかりやすい人間だけを厳選している」という事情もあります。
これは業界の人間にきいた裏話です。

そもそも芸能事務所は「どのタレントが催眠術にかかりやすいか」をファイルしてあるのです。
制作側から番組のオファーがきたときに推薦できるように。

催眠術番組をよくみてください。
いつもおなじ芸能人が出演していませんか?

あまり人気のない人物が、催眠術企画に限って、なぜか毎回出演していたりもします。
それも「催眠術にかかりやすいから呼ばれた」というわけですね。

催眠術は全員に必ず、どっぷりかけられる、というものではありません。
それが本当の催眠術です——その精度をあげるために私たちは練習するのですね。

なのにテレビの催眠術番組では、そんな人物ばかりを集めることで、
まるで「全員に確実にかけることができる」という印象をあたえてしまいます。

これが「ヤラセっぽい」原因のひとつです。
催眠術は魔法ですが、条件付きの魔法なのです。

 

②催眠術にかかるまでが素早すぎる

これもありがちなイメージです。
テレビ番組のなかでは、催眠術師は、いとも簡単に術をかけてみせます。
出会って数十秒で、耳元で言葉をささやくなり、芸能人は寝ころんだりするのです。

これも実にうさんくさい。
ヤラセにみえます。

けれど、真実はまったくの逆です。
たしかに催眠術師は、ちゃんと仕事をしているのです。

どういうことか?
けれど「視聴者には、その全部をみせていない」のですね。

実は、テレビは「おもしろい部分だけ」を使っており、
実際には予備催眠として、時間をかけて、入念に催眠状態を深めているものです。

じっと被験者に、念仏でも唱えるように言葉をきかせて——おもしろくない作業です。
放送で使われるわけがありません。

その部分さえおみせできたら、もう少しは存在を納得していただけるのに。
催眠術というのは、もっと、じっくり相手の心とむきあってかけるものなのです。

加えていえば、催眠術師は、番組で登場するなり、
芸能人に、はじめて顔をあわせたようにあいさつをしますよね。

あれもすべて演出です。
本当は、その前に顔をあわせて、じっくり催眠術をほどこしているのですから。

こうした番組制作上の細かな嘘(あるいは編集作業)が、
ますます催眠術をヤラセっぽくみせているのですね。

 

③かかってるふりをしているだけにみえる

これもわからないではありません。
大はしゃぎで催眠術にかかっている芸能人ほど、どこかうさんくさくみえますね。

これも特殊な事情によるものです。

上にも書きましたが、基本的に、芸能人は「仕事のために催眠術にかかる」のですね。
みなさんが「楽しみたいからかけてもらう」のとは違います。

番組を盛りあげること——成立させることが——なにより重要なのです。
だからこそ、つい「盛って反応をしてしまう」のですね。

少しの反応しかない段階で、まるで奇跡のように声をあげることもしばしばです。
普通なら、静かにするところでも、大げさにおどろいてみせます。

それも「催眠術の効果を伝える」ことが彼らの仕事だからです。
良い悪いではありません。

けれど、そのぶん真実からいくらか遠ざかってしまいます。
そして中途半端に真実であるからこそ「なぜかヤラセにみえる」わけですね。

なかには、まるでかかっていないのに、かかったふりをする芸能人もいます。
ある意味では、究極的に気をつかってくれているわけです。

催眠術師からすれば——いくつかのサインがあるので——その演技をしているのは、
バレバレなのですが、それも仕事のうち、という暗黙の了解があるわけです。

ですから、本来、催眠術を体験された方はもっと静かに反応をされます。
けしてテレビのような「ヤラセっぽい感じ」にはならない、とお考えください。

また仮に一部を「盛って」いたとしても、100パーセントの「ヤラセ」はまずありえません。
だとすれば高い出演料を払ってまで、催眠術師を呼ぶ必要なんかありませんからね。

以上、3つの裏事情から「テレビの催眠術がヤラセっぽくみえる理由」をお話しました。
参考にしてください。

当サイトには催眠術に関する記事がいくつもありますので、
「催眠術はあるのかないのか?」を考えるための材料にもしてください。

けれど、催眠術師としては、
「絶対にあるんだから、疑いながらでも、はじめた方がはやいのに」というのも本音です。

ご興味のある方は無料催眠講座で催眠術を学ぶことができます。


2017-03-31 | Posted in 催眠術のかけ方No Comments » 

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