催眠術って誰でも掛かるの?|成功率と被検性について
「催眠術を全員にかけることができますか?」
こんな質問をする人がいます。
もしかすると、だれかの姿を頭に浮かべているのかもしれませんね。
さて、この質問にこたえましょう。
基本的には「ノー」です。
むしろ、全員がきっちり、おなじだけ催眠術にかかるというのも、
イメージにしにくい気がしませんか?
というのも、人間にはそれぞれ「催眠術のかかりやすさ」があります。
これを〝被験性〟といいます。
〝被検性〟の高いひとは催眠術にかかりやすく、
〝被検性〟の低いひとは催眠術にかかりやすい、というわけです。
つまり、その人物が催眠術にかかるか(どれほどかかるか)は、
あいての被検性に左右されます。
程度としては、
上位20% 「すごくかかりやすい」
中位60% 「ある程度はかかりやすい」
下位20% 「かからない・かかりにくい」
というところです。
上位の20%には、簡単な練習だけでも催眠術をかけることができます。
下位の20%には、あきらめという選択肢や、よほどのスキルが必要でしょう。
ここで考えるべきは、中位の60%です。
この中間層に「催眠術をかけられるか」が、おおきな差をうみます。
かけることができたら、上位をふくめて80%にかけられることになります。
反対にのがせば、上位だけの20%になります。
そのためには、催眠術を本質から理解しなくてはなりません。
毎度口癖のようにいっておりますが、
催眠術の〝本質〟はそれほど重要です——数字にもあらわれているでしょう?
そこらで手にはいる安易なマニュアルはこれを教えてくれません。
簡単な台本をわたされておわりですから。
20%の人間に催眠術をかけておわりです。
いいかたはわるいですが宴会芸どまりかもしれません。
過半数ともいえる60%にどのように催眠術をかけるか?
だからこそ、これが催眠術を学ぶ上での、ひとつの目標になるわけです。
そこに催眠術師は心血をそそぐのです。
よろしいでしょうか。
20%の人間にしか催眠術をかけられないのと。
80%の人間に催眠術をかけられるのと。
どちらのほうがおもしろそうですか?
決めるのはあなたです。